「呪い」というもののイメージを簡単に言葉にしてみると、遠隔で直接手を下さずに人を害する術、でしょうか。
かなり荒唐無稽というか、オカルティックな概念のわりに、子供の頃から知っている言葉なのであらためて呪いって何なんだろうと考えてみたのですが。
呪いというのは、言葉や行動で相手に悪意を伝える行為で、それによって引き起こる噂話や精神的な苦痛なんかが、呪いの実際的な効力なのだと思います。
反対に、言葉や行動で相手に良い気持ちを伝えることを祝うといいますよね。
言葉の起源やなんかはあるのでしょうが、何となく祝うと呪うは対義語なんじゃないかと思います。どちらも「兄」がついてるのは何か理由があるんだろうか
有名な日本の呪いで「丑の刻参り」というのがありますよね、
これにはルールがあって
丑の刻(夜中の2時~3時)
白装束を身にまとう
顔に白粉を塗る
頭に鉄輪をかぶり火のついた蝋燭を3本つける
体の前側に鏡を吊るす
誰にも見られてはいけない
いや、難易度高すぎるだろ。
大昔だと夜は人の目がいまよりもとても少ないとは言え、そんな目立つ格好でさらに釘を打ち付けてカツーンカツーンと音を響かせるわけです。
誰かしら気づきそうですよね、というかそれが目的なんじゃないかと思います。
誰かが誰かを呪っているということを周囲に周知させること。
それを聞いた人が
ああ、誰か丑の刻参りしてるよやだなあ、自分じゃないだろうな?そういえば最近あの人にひどいこと言っちゃったよな…
とかそんな感じで不安を感じたり疑心暗鬼にさせること。
直接的に呪うよりも匿名性の高い広範囲型呪いとでもいうのでしょうか。実際の効力は低いとしても、自分が誰かを恨んでいることを知ってもらうことで溜飲も下がるでしょうし、むしろ見られたいのではないかと思います。